かつて九州各地から東京へと向かうブルートレインと呼ばれた寝台特急は、1,2等寝台車、食堂車、一部には個室や展望スペースもある正に動くホテルでした。少年時代の僕は、疾風のように八幡、戸畑を通過して北九州市内唯一の停車駅である門司へと向かう、その夕闇に映える濃紺のボディーを、息がつまるほどの憧れを持って眺めていました。そして、年に一度、たいてい夏休みに母の実家がある東京へ行く機会に「あさかぜ」「みずほ」「さくら」「はやぶさ」と名づけられた、それらの寝台特急に乗車するという願いは叶えられたのでした。
さらに後年、ピアノを習い始めて、東京までレッスンに行く時、一人で乗車し大変心細い思いをしたり、桐朋高校入学後、初めて帰省する際の下り列車が関門トンネルを抜けた瞬間、九州の陽光の眩しさに慰められたり、また新婚旅行の時は新大阪から「あかつき」で西鹿児島へ向かい、最後は父の墓参のため妻、母、子供達と利用するなど、人生の折々の出来事と共に寝台列車の旅がありました。
九州への寝台特急は10年前に廃止され、残った寝台特急「北陸」「北斗星」「あけぼの」「日本海」もすでにありません。そして最後の夜行急行「はまなす」も3月26日廃止されることになりました。しかし、夜行列車、寝台列車は、はいつまでも僕の思い出の中を走り続けます。
青森駅改札口
3番線に入線の様子
はまなすは通常B寝台2両、カーペットカー、ドリームカー(指定席)2両、自由席2両の7両編成です。この日は、B寝台が一両増結されていました。
B寝台
下段
上段
カーペットカー
指定券500円のみで利用できます。電気毛布付き。
21番と28番上段は個室状態になります。
自由席車内
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