2019年3月20日水曜日

ダッハウ強制収容所にて

もう、当分ミュンヘンにくることもないでしょう。2019年1月28日、最後に訪れておきたい場所の一つダッハウ強制収容所に向かいました。アウシュビッツのモデルにもなったと言われるナチスの強制収容所の原型がダッハウ強制収容所です。ミュンヘンの北西15kmの郊外に位置し、電車とバスを乗り継いでミュンヘン中心から約30分で行けるところにあります。
1933〜45年の間に約20万人が送り込まれ、その3分の1近くがユダヤ人だったそうです。そして、3万人以上の方々がここで命を落とされました。ナチス政権は、政治犯、共産党員、神父・牧師・浮浪者など権力の意に沿わない者たちを、裁判抜きで拘束し労働改造による再教育、つまり強制労働に従事させる目的でこの施設を作りました。


何重もの鉄条網で囲われた広大な敷地に居住用バラック、火葬場、監視塔などが再現されています。寒風吹きすさぶこの時期にここを訪れ、幽閉され寒さや飢えで苦しんだかつての収容者の絶望、叫びをリアルに感じることが出来ました。そして、この巨大な施設を残すことによって、二度と過ちを繰り返さないように自らを戒めるドイツ国家の強い意思を見たように思いました。

             
 入口


門扉には働けば自由の文字が

    広大な敷地


バラックはほとんど撤去され、見取り図で説明されています。

左前方が残されているバラックです。

木組みのベッド、一人分の寝台に最大16人詰め込まれたそうです。


  トイレ、10秒で済ませなければならなかったそうです。


バラックの窓から外の眺め

鉄条網と監視塔

火葬施設


遺体焼却炉

             
ガス室、この収容所では実際には稼働しなかったという説もありますが、悲惨さのあまり、息苦しくなりました。


       正面の建物は博物館になっています。


       記念碑、二度と繰り返さないと各国語で



極寒の一日でしたが、多くの小中学生が歴史の教訓を学びに訪れていました。


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